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黒い黒いモノを吐き出す為の場所。

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女性向け?なので下げます。注意。

 この傷痕は墓標だ。
 あの日殺した、素直で正直でまっすぐだった少年の。
 時折沸き上がるいたみは、きっと少年が死にたくない、生きていたいと嘆く声。
 だけどそれをどうこうはしない。できない。


「凌牙、そこには触らないでください」
「何で俺がてめえの言うことを聞かなきゃならねえ」

 がり、と爪が立てられる。いたい。血は出ていないようだが皮膚が薄いため、いたい。

「魔法カード発動、墓荒らしってか?だが残念。そこにいる奴はカードなんかじゃ呼び戻せねぇよ」

 凌牙はその言葉に不機嫌そうに眉を寄 せた。

「……とうとう頭が沸いたか」
「おいおい酷ぇ言い種だな」

まあ、答えたところで意味などないのだけれど。



098/YGO-ZX/凌牙とⅣ

孝高。
孝高は今、幸せか?

「ああ! 小生は今、とても幸せだ!!」

笑うその姿を見る度に、胸の奥がずきりと痛む。



思い出すのはいつも同じ場面。
黒の具足を身につけた手足。
積み上げられた屍の山。
足元に広がるは鮮血の海。
――その中央に横たわる男。
前髪を掴んで顔を持ち上げれば、赤黒い血と数々の傷で汚れている。
夢の中の己が男に何かを言う。が、その声は聞き取れない。
男が苦々しげに笑う。しかしやはり、ノイズに塗れて聞き取れない。
夢の私はもう片方の手に握り締めた何かを振り上げ、そして――…



その夢を見る度、私は孝高に問う。

今、幸せかと。

孝高はいつも笑って答える。

今、とても幸せだと。




184/BSR/転生した三成と孝高さん

 この体になってからというもの、やけに月の光が気になるようになった。そういえばあいつが少し前に「悪魔の能力は月齢に左右されやすい」みたいな事を言っていた。これもその影響みたいなものだろうか。
 それにしても今日は体の血が疼く。最近の塒であるこのビルの窓辺から様子を見ていると、外を歩く悪魔達も似たような様子で、時折唸り声を上げては同様の悪魔と争っている。何故だ? そう思いつつ空を見上げると月は真円を描いていた。

――そうか、今日は満月か。

 通りで、と咽から笑いが漏れる。つまりいつも交渉が出来なくなる程凶暴化する奴らと同じになっているというのか。
 しかしその事に嫌悪感はなかった。寧ろこの月が齎す狂気に抗うなど莫迦のする事だと、そう思えてならなかった。

「ならば俺も混ぜさせて貰うとするか」




150 未送信メールを漁ってて発掘。多分メガテン1のカオスヒーローだと思う。

 鉄格子の向こう側で、力無く横たわる体に手を伸ばす。
 散々に痛め付けられたその体は、既に意識を失っているのだろう、ぴくりとも動きはしない。

 嗚呼。

 何故、貴様は私の身代わりなどになっている。

 何故、貴様は私の代わりになどと傷付いている。

 少しでも触れようと必死になって手を伸ばすのだけれど。

 ――あと少しの所で、届かない。

103/120903/BSR 三成→誰か

 今日も来た手紙を読んで、思わずくすりと笑みを零す。あちらでは相変わらずの日々が続いているらしい。
 文台の上に紙を広げ、筆を手に取り返事を書く。書き出しはいつも同じ一文。その後は取りとめもない事をつらつらと書き連ねていく。
 大体こんなものかと読み返して、墨が乾くのを待ちながらごろりと横になる。真新しい藺草の香りが鼻を擽った。

「今日で、もう十六年か」

 それはあいつからの手紙が初めて来た日からの年数。
 ごそごそと大き目の文箱に入っている、少し古めの手紙を引っ張り出して、記されている文字に目を通す。
 最初はまるで呪いの手紙と呼べるような代物だったそれは、しかし彼の人との繋がりを確かに感じさせてくれる物でもあって。
 やがてその内容が呪いからただの文へと変わってからも、毎日のようにそれらは自分の下へと届けられた。

「そろそろ乾いたかな」

 よっ、という掛け声と共に軽く勢いを付けて体を起こす。何通か読み終えた手紙を箱の中に仕舞い込み、もう一回自分が書いた分を最初から読み返す。誤字脱字は無い。後は宛名を書いて飛脚へと渡せば、きっとあいつの元へと届くだろう。
 あいつから手紙を送られ続けて十六年。それに対して返事を書き続けて、十六年。
 しかし、それらを送る事は出来ていない。
 否、出来ない。

「また、会いたいな」

 ぽつりと呟いて、墨の乾いた手紙を折り畳み、いつものように返事用の文箱へと仕舞い込んだ。


120724/136/BSR家康@復讐系男子の拾伍年ネチネチ

 空が見たい。抜けるような晴天なんかじゃなくていい。そんなものを見てしまえば、今の己は目が焼けてしまうだろうから。
 そんな己の考えを読んでか。沼地の蝶によって連れ出されたあの日は月も出ていない朔の日の夜だった。星の瞬きだけが頼りの中連れていかれた先は海の向こうの鬼ヶ島。そのままその地を、太陽と同じ、赤い焔で染め上げさせられた。

 空が見たい。あの日以降も己は相変わらずの穴蔵生活だ。ずっと暗闇の中にいるために時刻など最早分かりもしないが、時折やって来る客人は皆、やはり昼間に来ているのだろう。陽の匂いが心地好くもあり、同じくらいに苦痛でもあった。

 そしてある日。
 陽の匂いと一緒に潮の香りをその身に纏った男が、太陽の化身とともにこの穴蔵までやって来た。――坑道の者皆が竦み上がるほどの、怒気と殺気を滲ませながら。
 ああ、空が見たい。満天に星が輝くあの空が。己が願いを友と語り合った、あの日の空が。

「アンタが、黒田官兵衛か」

 鬼の低い声が坑道に響き渡る。
 言葉通りの形相を前に小生は、これまで見ることの出来なかったその瞳を、しっかりと見返すことを、選んだ。

20120630/135/BSR/アニキ青ルートかんべさん

どう考えても夢文だったので下げます。名前変換は無し。

「死にたいんじゃない、殺されたいのさ」

 そう、笑いながら口にすれば、目の前の人物は不愉快そうに眉根を寄せた。

「何が違うというんだ、どちらにせよ結果は死以外の何でもない」

 その反応にくつくつと喉を鳴らす。

「いつか分かる日が来るかな?」
「そんな日など来なくていい」

ああ、全くだな、と思った。

120509

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星無夜空
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